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特定技能とは?受入れ企業が最初に知っておくべき制度の全体像

特定技能とは、国内で人材を確保することが難しい産業分野に限って、一定の専門性・技能を持つ外国人を「即戦力」として雇用できる在留資格です。2019年4月に始まり、2026年10月時点で受入れ対象は19分野です。企業は外国人と直接雇用契約を結び、日本人と同等以上の報酬を支払うこと、1号の外国人には生活面を含む支援を行うこと、出入国在留管理庁への届出を行うことが求められます。本記事では、初めて受入れを検討する人事担当者・経営者の方に向けて、制度の全体像を整理します。

特定技能制度の目的と「1号」「2号」の違い

特定技能は、生産性向上や国内人材の確保に取り組んでもなお人材が不足する分野で、外国人材を受け入れるための制度です(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」)。在留資格は「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。

項目特定技能1号特定技能2号
求められる技能相当程度の知識・経験を要する技能熟練した技能
在留期間通算で上限5年(相当の理由がある場合は6年)更新回数の上限なし
日本語の水準試験で確認(A2.2相当以上が基本)B1相当以上(2027年4月1日から省令施行予定)
家族の帯同基本的に認められない要件を満たせば配偶者・子が可能
支援の義務受入れ企業または登録支援機関が支援支援の対象外
対象分野19分野11分野

出入国在留管理庁の制度説明資料(2026年9月29日更新)によると、2026年6月末時点(速報値)の在留者数は特定技能1号が425,961人、特定技能2号が18,295人です。

受入れ対象の19分野(2026年10月時点)

2026年1月23日の閣議決定により、従来の16分野にリネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野が加わり、特定産業分野は19分野になりました。

  • 介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊
  • 自動車運送業、鉄道、物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環

ただし、物流倉庫と資源循環は「準備が整い次第、運用開始予定」とされています。分野ごとに受入れ見込数(上限)が設定されており、外食業のように上限に近づいた分野では、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付を一時停止する措置が取られました。分野の詳細と自社業務が該当するかの確認方法は、別記事で詳しく解説します。

受け入れる外国人に求められる要件

特定技能1号で働く外国人は、原則として次の要件を満たす必要があります。

  • 18歳以上であること、健康状態が良好であること
  • 分野ごとの技能試験と日本語試験に合格していること(技能実習2号を良好に修了し、業務に関連性がある場合は試験が免除)
  • 保証金を徴収されていないこと、違約金を定める契約を結んでいないこと
  • 本国で定められた送出し手続がある場合は、その手続を経ていること

日本語試験は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(N4以上)が一般的です。介護、自動車運送業(バス・タクシー)、鉄道(運輸係員)などは、別途の日本語要件があります。

受入れ企業(特定技能所属機関)に求められること

受入れ企業には、大きく分けて次の4つが求められます。

  1. 適切な雇用契約:報酬額が日本人と同等以上であること、外国人であることを理由とした差別的取扱いをしないこと、一時帰国の希望があれば休暇を取得させることなど。
  2. 企業自体の適格性:労働・社会保険・租税に関する法令を守っていること、1年以内に同種業務の労働者を非自発的に離職させていないことなど。
  3. 1号外国人への支援:事前ガイダンス、住居確保、生活オリエンテーション、3か月に1回以上の定期面談などの「義務的支援」を支援計画に基づいて実施します。支援の全部を登録支援機関に委託することもできます。
  4. 届出:雇用契約の変更・終了などの随時届出に加え、年1回の定期届出(4月1日から翌年3月31日までの状況を、4月1日から5月31日までに提出)があります。

このほか、分野ごとの協議会への加入や、外国人が働く事業所・住む地域の市区町村への「協力確認書」の提出も必要です。費用面では、支援に要する費用を外国人本人に負担させることは認められていません。

採用ルートと受入れまでの流れ

特定技能には技能実習のような監理団体の仕組みはなく、企業が直接採用するか、職業紹介事業者を通じて採用します。採用ルートは大きく2つです。

  • 海外から呼び寄せる場合:雇用契約の締結後、企業側が在留資格認定証明書の交付を申請し、本人が現地の在外公館で査証を取得して入国します。
  • 国内在住者を採用する場合:技能実習修了者や留学生などが、在留資格変更許可申請を行います。

いずれの場合も、事前ガイダンスや健康診断は申請前に済ませておく必要があります。国籍によっては本国側の手続(推薦者表の取得など)が必要なため、出入国在留管理庁の国別情報も確認してください。

2027年4月以降に予定されている主な変更

特定技能制度は、今後も見直しが続きます。2026年10月時点で公表されている主な予定は次のとおりです。

  • 2027年4月1日に技能実習制度に代わる「育成就労制度」が運用開始し、特定技能1号への移行ルートが整理されます。
  • 同日施行の省令改正で、1号外国人の支援体制の要件(支援責任者・支援担当者の選任、人数基準など)が見直されます(出入国在留管理庁「支援体制に係る要件改正」)。
  • 特定技能2号の日本語要件(B1相当以上)は、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請から確認が始まる予定です。

制度は変更が多いため、受入れ判断の前には必ず最新の公表資料を確認してください。個別の在留手続については、申請取次行政書士または地方出入国在留管理局への確認をおすすめします。

まとめ

  • 特定技能は、人手不足が深刻な19分野(2026年10月時点)で即戦力の外国人を雇用できる在留資格です。
  • 1号は通算5年まで・支援義務あり、2号は更新上限なし・家族帯同可という違いがあります。
  • 受入れ企業には、適切な雇用契約、企業の適格性、支援の実施、届出の4つが求められます。
  • 2027年4月に育成就労制度の開始や支援体制要件の改正が予定されており、最新情報の確認が欠かせません。

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本記事は2026年10月時点の公開情報をもとに作成しています。制度は変更されることがあるため、最新情報は各省庁の発表をご確認ください。